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喫茶アンジェラ
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「恋しくて…かな。僕たちはいつの日かこの場所で」完全版
 
 
2006年夏昔と変わらない笑顔がそこに、
小さな宝ものと一緒に。

はじめての笑顔

ちょうど20年前顔には吹き出物ではなくにきびが満載の15の春
ときめきを胸にドアをあけた1年B組

はじめての印象はとにかくしゃべる、うるさいこんな感じでした。
自分はというと中学時代いたずらにいれたソリコミをかくしながら
おとなしく教室の片隅で空ばかりみつめていた。
そこではじめて話しかけてきたのが彼女だった。
なにやら、クラスに溶け込めない自分に気をつかってくれたのか、
たまたまだったのか今ではわからないけど
いつの日かうるさいから心地よいに変わっていた。

そういえば、こんなことも男だけのはじめての飲み会
サントリーレッドとコーラとポテトチップス
もちろん話の内容は「誰がかわいいか?誰が好きか?」
こんな話題ばかり、いつしか好きな相手に電話をかけることに、
自分の前にその子の名前が、もちろん俺もとは言えず、
全然違う子の名前を、どうやらライバルが多いみたいだった。

あの笑顔みんなに注がれているとは、この時はきずいていなかった。
さて高校生活はというと、彼女は中学時代から続けているテニスを
自分は、走ることに目覚め陸上部にしかし、悪の誘惑に負け退部
バイトとバイクに明け暮れる日々。
自慢の単車はCBXにRPM菅かんだかい爆音を撒き散らせながら

どうにか、無事に1学期も終了待ちに待った夏休み、
友達にさそわれ、ホームルーム合宿なるものに参加
団体行動は苦手な自分としては、めずらしかった。
場所は白浜海の綺麗さにときめき?を感じていた。
夜お決まりのきもだめし相手はくじ引きでどこか期待していたかも
相手は彼女と決まり微妙な距離感が初々しかった。
手と手がふれ胸が高まる。
だけどそこまで、お互友達のまま進展はなし。
ただ楽しいそれだけでよかった。

高校生活はじめてのバレンタイン彼女から呼び出しが
頭のなかで色々な妄想が駆け巡る。
ハイこれあの子から頼まれた。
無言…ありがとう。
なにがありがとうなのかわからなかった。

無事に1年間がすぎた。
彼女は相変わらず笑顔をふりまいていた。
自分は、相変わらずバイト、バイク、それとパチンコ
この3つの繰り返しだった。

高校2年お互いクラスは別々に、
お互い朝が苦手なせいか遅刻ギリギリで駆け込むことが
いつも2人で駅から走っていた。
修学旅行ではこっそり抜け出した事も、
だけど、彼女ではない。
よく後輩に彼氏ですかと聞かれ、思い切り否定していた。
そこまで言わなくても…
もしかしたら照れ隠しだったのかもしれない?

 
さて何とか進級もでき、高校生活最後の年
クラスはまた別しかし選択授業で同じになることが、
その選択科目は彼女の得意な「テニス」
よくコートの中を右に左に走らされた。
楽しげによく笑っていた。
こっちは日ごろの不摂生とたばこでいっぱいいっぱいだった。
大体高校生だというのに毎日6時間働いてそのあと友達の家に
帰宅は午前2時よく保健室を利用させてもらった。

高校生活最後の思い出にスキー教室があった。
この頃には最初おとなしかった自分が懐かしく思えるほど、
学年の最大派閥に所属いつの間にか中心にいた。
なぜか手元にこの時の写真が、なぜか隣には彼女の姿が
この時はちょうどバイクを卒業して波乗りにはまっている時
波さえあれば、彼女なんていらない。
こんな強がりをいつも言っていたっけ、
あっという間に1年間が過ぎ、卒業の日をむかえることに
お互いの進路もしらぬまま、さよならも告げずに分かれていった。
たしか最後まで笑顔で分かれた思い出が…

もうすぐなくなる母校を卒業して2年ちょうど20歳の頃

「20歳を記念して1年B組のクラス会があるけどどうする?」
こんな話が…「俺なんか行ってもいいのかな?」
「関係ないよ、あいつも来るのかな?」
「まあ、暇だったら顔だすよ。」

クラス会当日どうにか仕事の都合をつけて会場となる居酒屋へ
内心誰が来るのかわからず不安だ。
あいつは来てるかな?
そこには見慣れた笑顔と笑い声が…
「なにやってんの遅い!相変わらず遅刻!」
聞けばほとんど同時らしい。
「お互い様だバーカ!」
2年ぶりとは思えない変わらない光景
気がつけば隣にいた。

「ねえ、今何やってんの?」
「おまえこそ何やってんだよ」
どうやらお互い何もしらないらしい???
「私は大学生だよ」
「まじかよ、大学行けたの、あの学校で!」
「同じ学校でしょ!何し・て・る・の?」
「俺はこれ」といって一冊の雑誌を差し出す。
「何・・・・?」
「バカ、わからないのこれ作ってんの」
「へえ〜編集者、なんかおしゃれじゃん。」
実はこの時はまだただのこま使いで先輩のあとをついて
雑用ばかりしていた頃(ちょっと見栄はっちゃいました。)
「なんかつまんね〜な抜け出すか!」
「うん」
たしかこのあとスナック2軒帰宅朝5時だったような?

このあとまたもや音信不通に
たまに仕事の途中バイト先を外から覗くぐらい。
あいかわらずかわらない笑顔だった。
しかし…?この時の笑顔は営業スマイル?
だって「ポテトいかがですか?」

20歳という記念すべき日から3年がたっていた。
ジリジリジリと電話が鳴る(この時はまだ黒電話)

「同じ高校の…ですが…」

聞きなれた声、頭の中にはあの笑顔が

「なんだよ、俺だよ!」

「なんだ早くいってよ、バカ」

いきなりこんな感じでした3年ぶりなのに

「なんだよ用件は」

どうやら共通の女友達が結婚することに

「わかったよ、5時に原宿だろ」
「遅刻しないで早く来てよ!」
「おまえもな!」

そして当日、仕事を後輩に押し付け着慣れないスーツ姿に
編集部内では、
「なんだお前七五三か、それともデートか」
こんな野次と笑い声が、

急いで着替え電車に飛び乗り待ち合わせ場所に
時計を見ると4時55分どうにか間に合った。

待つこと30分遠くのほうから見慣れた光景が…

「ごめん。待った…」
「相変わらずだな」
「早くしろ間に合わなくなるぞ」

そしてまず贈り物の花束を確か淡いピンクのチューリップ

「はい」
「ありがとう♪」
「お前のじゃないだろ」
「わかってるよ、私にもちょうだいね♪」
「早く行くぞ・・・」と手を引きながら、


この時ちょっと大人びた姿とかわらない笑顔に…

さて本題の結婚式まだまだ早いと話しながらも、
美しいウエディング姿に憧れていたようでした。

「おまえはまだ結婚しないのかよ」
「よけいなお世話」
「30歳までに結婚しなかったら俺がもらってやるよ」
「結構です。」
こんなよくある光景でした。

美しいウエディング姿にすっかりやられてしまった二人…
普通は恋に発展しても良さそうですが

「おいまだ飲み足りないから地元で飲み直すか!」

焼酎と焼き鳥が定番でした。

帰宅はまた朝の5時

次なる再開はいつになるのやら?
この時のお嫁さんは今でも美しいのかな?

美しい花嫁を見てから早くも3年の月日が

この3年間は、めまぐるしい3年間だった。
まず、起動に乗っていた編集の仕事をやめて波乗り修行に
サーファーズパラダイスの国オーストラリアに1年間
この時は何もかも忘れ波乗りの事だけ考えていた
朝から晩までサーフィン本当に他にはなにもいらなかった。

帰国後、以前いた出版社とは違いコアなことを紹介している
小さな出版社に再就職
ここで何故だか彼女までできてしまった。
海好きの明るい子だった。
順調に3年の月日が流れていった。
突然別れ話が、理由はわからない。
まるで狐に包まれているようだった。

この時は実家を出て一人暮らしをはじめている頃
暇をもて余して押入れの整理
出てきたのが一冊の卒業アルバム
そこには見慣れた笑顔が
住所録を見てみるとなぜか赤線が引いてある
今とは違い携帯やメールなどないころ
誰が出るかわからないだから電話はいまだに苦手
何度かダイヤルするが途中で手が止まる
まるでハワイのパイプラインでテイクオフするかのように
鼓動が大きく鳴り響く。
パイプラインには行った事がないけど。
勇気を振り絞りダイヤルを回す。

プルルルル…ガチャと着信音が

「あの〜高校のときの同級生の…で…さんは」
何処かで聞いた光景だ使い慣れない敬語が空回りしている
聞きなれた笑い声が

「何やってんの私だよ!」
「早く言えよ」
「久しぶり、とりあえず飲みに行こうか?」
「じゃいつものところで」

珍しくあいつから飲みの誘いが?
だってほとんどお酒飲めないのに
いつも朝までつきあわせているけど
ほとんど飲むのは俺
何かあったのか少し気になった。

場所はいつもの居酒屋
焼き鳥と焼酎がおいしいお店

「マスターとりあえず生2つ」
「じゃ乾杯」
何に乾杯かわからないが
「久しぶりだね、もういくつになったの」
「何いってんの同級生だろ26だよ」
「まだ結婚してなかったんだね」
「あたりまえだろ、だからここにいるの」
「もしかしてふられたの?」
「そうだよ!」

マスターおかわり!

「フウフフ…」
「何笑ってんだよ!まあいいけどね」
「違う違う」
「私も」
「???彼氏いたんだ?」
「当たり前でしょこんな美人」
「全然気がつかなかったよ」

まあ彼氏の一人や二人いてもおかしくはないが
またあの笑顔にだまされていたのかもしれない。

そういえばこんな事も
「得意料理があるのだけれど食べにこない」
「ほんとに食べられるの?」
「いいよ、ワインでももっていくよ」
「いいよ、焼酎で」

この時作った料理は豚の角煮、レタスチャーハン、
サラダ、スープに大量のフルコースだった。
俺は作るだけでおなかいっぱいに
今考えるとよく食べたと思う。
味は自慢できるものでした。
手料理はこれ以来あまり作っていない。

このあとはアルバムを見ながら昔話
誰が好きだったとか、(言えるわけないけど)
誰と誰がつきあっていたとか
どうやら高校時代はお互い彼氏彼女はいなかったらしい。

いったいあの笑顔は誰に向けられていたのか?

3年ぶりの再会を果したある夏の日

「ねえ、たまには海に連れてってよ」
「めずらしいじゃん、海なんて」
「いいよ、いつでも」
「じゃ来週の日曜日」
「了解、じゃ4時に迎えに行くよ」

「4時じゃ早すぎるよ」
「しょうがねーな、おまけして5時」

ちょうどスプリングがほしくなる夏の終わりだった。
この頃は波情報などなく、天気図だけがたより、
どうやら波はなさそうだ。
普段ならいくのはやめて朝まで飲んでいるのだが、
あの笑顔で言われてはしょうがない。
いつもより早くスナックを後に…

「おはよう」と寝眠そうな顔で
どうやら相変わらず朝は苦手なようだ。
「行くぞ」
第3京浜から横浜新道まずは鎌倉から
「ァ〜波がない」(予想どおりだが)

返事がない…
どうやら寝てしまったみたいだ。

車を駐車場に入れしばし仮眠をすることに
仕事の疲れかお酒のせいか思いのほか寝てしまった。
熱い夏の日差しがまぶしかった。

あいつはまだ起きてこない
南風の影響からか若干サイズがあがったような。
七里ヶ浜駐車場からロングボードが3人見えた。

「おはよう」
どうやら起きてきたようだ。
「おはよう?もう昼だよ、飯でも食いにいくか?」

まってと袋を差し出す。
「何?」
「お弁当作ってきたよ」
「まじ?食べられるの?」
「じゃあ、あげない」
「うそ、うそ、いただきます。」

そこにはお世辞にもうまいとはいえない
ちょっと形のいびつなサンドイッチが、
まあ昔から料理が上手というイメージがわかないけど
しかしあの笑顔付だと形など関係なかった。

七里ヶ浜堤防の上
ちょっとだけ、寄り添う二人

「ねえ、膝かして寝るから」
「また寝るのかよ」

夏の日差しにやられてしまったのかそれともあの笑顔に

「俺たちちょっと付き合ってみるか…なんてね。」

「・・・・・」

どうやらまた眠ってしまったようだ。

誰にも言った事がないはじめての言葉だったのに
少し日が落ちてきたどうやら夏も終わりに近づいている。

「起きろ起きろ」
「何?」と寝ぼけた顔で

「海に入ってくる」
Tシャツを脱ぎ捨て、急いでワックスアップ

どうやら顔を見ているのが恥ずかしくなったようだ。
波のサイズは腰朝よりは少しサイズアップ
綺麗な三角波が…いつもより力が入る。
結局日が落ちるまでなんちゃってリップを繰り返す。
ポリタンの水を浴びながら、
「おい、飲みにいくぞ」(もちろんいつもの所)

相変わらず朝まで飲んでしまった。
もう一度あの言葉を口にはできなかった。
自分からの告白なんてあれが最初で最後だった。

あれから、お互い結婚したらしい。
なぜか、時期も同じ30歳を迎える年
「30歳まで結婚しなかったら俺がもらってやる」
こんな約束もどうやらぎりぎりセーフの29歳だった。

あの夏の日からまだあの笑顔とは再開していない。
どうせそのうち会えるだろう。

恋しくて…かな

優しく笑ってくれた君だけに伝えたい
ただ「ありがとう」と

僕たちはいつの日かまたこの場所で
出会う日まで

 
 

「恋しくて…かな」アンジェラさんの元に届いたメールを元に再現しています。
写真はmyyさんのご好意により掲載させてもらいました。
本文とは関係ありません。(勝手にイメージさせてもらいました。)
こちらでmyyさんの写真が見られます。
Photo&Surfing http://photonami.blog95.fc2.com/

誰しも描いているこんな姿ちょっと思い出してみてください。

 
 
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iroiro@tokiwa-tosou.com